鍼って痛い?痛くない?プロ鍼灸師が本音で解説

鍼灸のはなし

鍼=痛い?そんなイメージありませんか?

こんにちは、浦和の鍼灸マッサージ院 Yeji 浦和(イエジ ウラワ) です。

私たちは患者様から、肩こり・首こり・頭痛・腰痛・眼精疲労・自律神経の乱れ・冷えやむくみなど、さまざまなお悩みに関するご相談をいただきます。

しかし、初めてご来院される方からは、決まってこんなご質問をいただきます。


「鍼って痛くないんですか?」


鍼治療に対して、どうしても「痛そう」というイメージをお持ちの方が多いようです。
実際、鍼灸未経験者の82%が「鍼は痛い」と感じているという調査結果もあります。
しかし、面白いことに、実際に施術を受けた方のうち「痛かった」と感じる人は26%程度にとどまるそうです。
つまり、半数以上の方が「思っていたよりも痛くなかった」と感じるのが現実です。
では、なぜこのようなギャップが生まれるのでしょうか。


鍼の太さはどれくらい?

みなさんのイメージの鍼は、やはり注射の針なんだと思います。
あの針を刺されるのか……と思うと嫌ですよね。
私たちでも、注射針で施術されるのは遠慮させていただきたいです。

注射針と鍼灸針の違い

種類 太さ(直径mm) 比較
当院の鍼 0.16-0.20 髪の毛ほどの細さ
注射針(採血用23G) 約0.64 シャーペンの芯(0.5mm)より太い

このように、鍼灸で使う鍼は、注射針の1/3以下の太さです。
しかも、注射針は皮膚を切り裂くための「刃先」があるのに対して、鍼灸針は「丸みを帯びた円錐形」で、組織を切るのではなく押し分けるように入るため、痛みを感じにくい構造になっています。


鍼を刺したときはどんな感覚?

もちろん、まったく無感覚というわけではありません。
実際に刺すときに、「チクッ」とすることはあります。
ただしその感覚は一瞬であり、注射のように「刺さっている間ずっと痛い」というものではなく、入ってしまえば違和感を感じない方がほとんどです。
また、場所によっても感じ方は異なります。
例えば、手や顔の皮膚は痛覚が密集しているため敏感ですが、背中やお腹、太ももなどは比較的痛みを感じにくい部位といえます。


鍼の太さや長さによる違い

施術で使う鍼には、太さと長さが異なる種類のものがあります。
Yejiでは、目的とする組織の深さに応じて使用する鍼の種類を決めています。
例えば、おしりの深層筋を狙う場合には、6cm程度の長さで、太さが0.25mmの鍼を使用します。
この太さは、日本で一般的に使われる鍼の中では少し太めです。
深部まで正確に鍼を運ぶためには、その方向性と操作性および安全性を保つために、少し太めのほうが適しています。


痛みを感じる理由

深部に鍼が到達するということは、そこに至るまで筋肉組織の中を潜り込んでいくため、それだけ筋肉を刺激することになります。
普段は感じない部分を刺激されるため、初めての方は「痛み」として訴えることがあります。
一方で、多くの方はツライところに鍼が到達していく感じを「気持ちがいい」と表現されます。
ただし、必要以上に深いところへいくと、やはり痛みとして感じることが多いです。
この「丁度いいところのさじ加減」が一つの技術だと思います。
また、目的の場所へ到達する過程でも、粗雑な鍼の進め方だと刺激が大きくなり痛みを感じやすくなります。
Yejiでは、お客様の感受性を考慮し、なるべく痛みを引き起こさずに狙ったところへ鍼を運ぶ施術を心がけています。


痛いところが悪いところなんですか?

よくいただくご質問です。
結論からお伝えすると、半分正解です。

正解の理由

悪いところが痛みを感じやすい、という事実はあります。
つらさを感じる箇所だけでなく、内臓の調子が体表面や近傍の筋肉の過敏なポイントとして出現することがあるからです。
例えば、消化器系の不調が背部や腰部、おしりの筋肉のこりや過敏なスポットとして出現することは、かつて医師の診察テクニックとしても使用されていました。
鍼灸では、そのような体表面の過敏点を刺激することで、内臓の調子を整える経験則を大切にしています。

不正解の理由

一方で、痛みは人為的に作れるという点もあります。
鍼が筋肉など体の中を通過すること自体が刺激となり、その刺激が感受性の閾値を超えると痛みとして感じられます。
鍼の太さや深さ、進め方などによって刺激量は変わるため、調節によって痛みを感じさせることもできます。
「(痛いけれど)効いている感じがする」と表現されることが多いため、痛いところが悪いところという「鍼灸施術あるある」になっているのだと思います。
ただし、その「あるある」自体が無意味というわけではありません。


「響き」って痛いの?それとも効いてる証拠?

「ズーンと重い感じがした」「効いている感じがした」という感覚は、鍼刺激特有の「響き」といわれるものです。
医学的には、鍼刺激がC線維やAδ線維という神経線維を活性化することで感じます。
これらの刺激は、脳の視床や辺縁系(情動系)を経て、中脳水道周囲灰白質(PAG)を刺激し、内因性オピオイド(エンドルフィン)を放出させます。
この内因性オピオイドは鎮痛作用やリラクゼーション効果をもたらし、施術後も持続的に作用します。
つまり響きは「痛み」ではなく、治療反応そのものと考えられています。
もし響きが苦手な方は、弱めの刺激で調整も可能ですのでご安心ください。


Yeji 浦和が大切にしていること

鍼も刺激を与える手段の一つです。
ツボを探すときの触れたり押したりする刺激、併用する整体、サロンの雰囲気、施術者の声のトーン、あらゆるものが刺激となり得ます。
そして、それらの刺激は神経にとって栄養のようなものであり、その栄養によって身体のリセットボタンが押されます。
私たちは「得気を与えるための鍼刺激」ではなく、「お客様にとって必要な量の鍼刺激」を選択しています。


痛みを感じにくくするコツ

最後に、鍼治療で「痛み」を感じにくくするためのポイントを3つご紹介します。

  1. 空腹や寝不足は避ける
     低血糖や睡眠不足の状態では、痛覚感受性が高くなります。
  2. 施術中はゆったりとした呼吸を意識する
     ゆっくり吐くことで迷走神経(副交感神経)のトーンが上がり、痛みを感じにくくなります。
  3. 不安はその場で質問する
     不安感は痛みの「主観的評価」を増幅させるため、気になることは何でもご質問ください。

いかがでしたでしょうか?
鍼治療は「痛そう」というイメージとは裏腹に、実際には「思っていたよりも痛くない」「むしろ気持ちいい」という感想を持たれることが多い施術です。
もし、興味はあるけれど「痛み」がハードルになっていたという方は、ぜひ一度ご相談ください。


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