肩こりはストレスのせい?──3つのタイプでわかる原因と対処

病(やまい)のしくみ

「肩こりはストレスのせい」という考え方は、すでに市民権を得ているように思えます。
でも「具体的にどうすればいいの?」というのが、多くの方の本音ではないでしょうか。
今回は、ストレスを構成する要因を“見える化”することで、肩こりを理解し、対処するためのヒントをお伝えしたいと思います。

Yeji浦和では施術前に、肩こりの重症度や原因を評価するためのセルフチェックを取り入れています。たとえば、このような質問です。

□ 仕事や家事の量が多いと感じる
□ 時間に追われていることが多い
□ 自分でペースややり方を調整しにくい
□ 相談できる人や支えが少ない
□ 頑張るのが当たり前だと思ってしまう
□ 周りはもっと頑張っていると感じる

こうした項目に「当てはまるかも」と思うものがあれば、あなたの肩こりは単なる筋肉疲労によるものだけではなく、生活の負担やストレスも関与している可能性があります。
実際、心理社会的要因と肩こり・腰痛などの筋骨格系の愁訴との関連は、数多くの研究で指摘されています。また、多くの研究では、機械的な負荷よりも心理社会的側面の方が痛みとその進行を強く予測するとされています(Macfarlaneら, 2009)。

👉肩こりの「危険なサイン」についてはこちらの記事で解説しています。


肩こりに現れる3つのタイプ

A. 負担型

「仕事が多すぎる。締切も近すぎる…」

40代男性のAさん。中間管理職として、上からは成果を求められ、下からは部下の相談やフォローを受けています。
「今日もミスはできない」「期限までに全部仕上げなきゃ」と思うと、朝から肩が上がりっぱなし。
責任の“重さ”だけでなく、タスクの“量”やスピードもプレッシャーになります。
さらに「決定権は少ない」「成果はなかなか評価されない」という状況が重なると、会議前の肩のこわばりが夜まで続いてしまうこともあります。


B. 余裕不足型

「自分の時間なんて、まったくない…」

30代女性のBさん。朝は子どもの支度と自分の仕事準備を同時進行。昼は仕事に追われ、夕方は買い物・食事づくり・宿題のチェック。
「自分の時間がまったくない」という状態で、夕方には首や肩がガチガチになります。
夫は多忙で帰宅は深夜、両親とも離れて暮らしており、頼れる人はほとんどいません。
こうした「時間の余裕」だけでなく「支えの少なさ」も重なると、肩こりは慢性化しやすくなります。
さらに「責任感が強く休めない」「感謝されにくい」といった要素も加わると、疲労が積み重なって眠りが浅くなり、翌朝も肩の重さが残ってしまいます。


C. 認識不足型

「これくらいやって当たり前。私なんてまだまだ…」

50代女性のCさん。介護やパートを掛け持ちし、一日中動き回っています。
それでも「ありがとう」と言われることは少なく、努力が当然視されてしまう。
本人自身も「これくらいやって当たり前」と思い込み、自分の頑張りを認識できずにいます。
そのギャップが夜になると肩や腰のずっしりとした重さとなって現れ、疲労が積み重なってなかなか回復しにくいのが特徴です。


ストレスを形づくる3つの要因

ここまで紹介した3つのタイプは、研究でも注目されている ストレスを構成する要因 に対応しています。

  • 責任や仕事量などの“求められること(Demand)”
  • 自分にある余力やサポートといった“資源(Resource)”
  • 自分の頑張りをきちんと“認識できること(Recognition)”

この3つのバランスが取れているとき、人は多少の負担にも耐えられます。
逆に、自分の頑張りを「当たり前」として認識できないと、体は過敏に反応しやすくなり、肩や腰の重さとして現れるのです。
(Karasek, 1979; van der Molenら, 2020)
👉 詳しい研究の背景は「解説編」で紹介します。


肩こりを感じたときに思い出してほしいこと

多くの方は、肩こりが強まる瞬間に「背景にどんな要因があるか」までは気づきにくいものです。
だからこそ、肩こりを感じたときに──
「これは責任の重さ? 余裕のなさ? それとも自分の頑張りを見過ごしているのか?」と、3つの要素に思いを馳せてみてください。
それが、自分の肩こりを理解するための第一歩になります。


今日からできる一歩

  1. 責任や量で肩が固まるとき(負担型)
    「責任で肩が固まってるな」と言葉にするだけで、脳の警戒モードが落ち着きます。
  2. 余裕がなくて追い詰められているとき(余裕不足型)
    「全部自分が抱えなくてもいい」と思えると、肩の力が抜けやすくなります。
  3. 自分の頑張りを見過ごしてしまうとき(認識不足型)
    「今日は家事を終えた」「一日無事に過ごせた」──当たり前に見えることでも、“自己認識”の習慣を持ちましょう。
    当たり前のことなんてありません。小さな認識が、体のこわばりを和らげる助けになります。
  4. どのタイプでも共通して役立つ方法
    気づいたら深呼吸30秒、肩を回す、お茶を入れる──小さな“合図”を入れるだけで、体はリセットされます。

👉 これらの方法がなぜ有効なのか、詳しいメカニズムは「解説編」でご紹介しています。

👉 セルフケアとして散歩をすすめる理由をこちらの記事で解説しています。


まとめ

肩こりは「ストレスのせい」とひと言で終わるものではありません。
責任・余裕・自己認識、この3つのバランスが崩れるとき、肩こりは“体からのメッセージ”として現れます。
まずは肩こりを感じたときに、その背景にある3つの要素を思い出してみましょう。

もし一人では整理できないと感じるときは、専門的なサポートもあります。
Yeji浦和では、肩こりの重症度や背景を丁寧に評価しながら、そのメッセージを解きほぐすお手伝いをしています。

👉 肩こりを軽くする第一歩を、一緒に始めてみませんか?


参考文献

  • Macfarlane GJ, Pallewatte N, Paudyal P, et al. Evaluation of work-related psychosocial factors and regional musculoskeletal pain: results from a EULAR Task Force. Ann Rheum Dis. 2009;68(6):885-891.
  • Karasek RA. Job Demands, Job Decision Latitude, and Mental Strain: Implications for Job Redesign. Administrative Science Quarterly. 1979;24(2):285-308.
  • van der Molen HF, Nieuwenhuijsen K, Frings-Dresen MH, et al. Work-related psychosocial risk factors for stress-related mental disorders: an updated systematic review and meta-analysis. BMJ Open. 2020;10:e034849.

免責事項

※本記事は、最新の研究知見や一般的な健康情報に基づき執筆していますが、特定の症状や疾患に対する診断・治療を目的としたものではありません。
心身の状態や気持ちに関する記述も含まれますが、これはあくまで一般的な情報提供であり、個々の症状や心理的な問題に対して効果を保証するものではありません。
肩こりや痛みが長引く場合、強い症状がある場合、また気分の落ち込みやつらさが続く場合には、医師などの専門家にご相談ください。


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