整えようとするほど、身体が固くなることがある理由

鍼灸のはなし

ストレッチをしている。
姿勢にも気をつけている。
自律神経のために、生活も整えようとしている。

それでも、
どこかスッキリしない。
一時的に楽になっても、すぐに戻ってしまう。

そんな経験はないでしょうか。

私たちは身体の不調を感じると、
「早く治したい」「元に戻したい」と考えます。
それ自体は、とても自然なことです。

しかしながら、ときにこの
「変えようとする姿勢」そのものが、
身体をさらに固くしてしまうことがあります。


身体は「失敗」しているわけではない

慢性的なこりや違和感、疲れやすさ。
それらは、身体がうまく機能していないというより、
「自分の身体はどこか悪い」
というラベルで
扱われてしまうことも少なくありません。

しかし、見方を変えると、
それはこれまでの環境や負荷の中で、
身体がどのように適応してきたかを
一つの見方として捉えることもできます

無理が続いた。
緊張が抜けにくい状態が長く続いた。
安心できる時間が少なかった。

その中で、身体は
「この形なら持ちこたえられる」
という落としどころを探してきた、
と考えることもできるかもしれません。


「早く変えたい」が伝えてしまうこと

ところが、そこに
「早く終わらせたい」
「今の状態は間違っている」
という圧が加わると、どうなるでしょうか。

身体にとっては、
さらに身構える理由が増えてしまいます。

守りを固め、
調節の幅を狭め、
変化しにくい状態へ向かってしまう。

整えようとしているのに、
なぜか固くなる。
そんな逆転現象が起きる理由は、
ここにあります。


変えないことは、放置することではない

「変えない」というと、
何もしないことのように聞こえるかもしれません。

けれど実際には、
今の状態を否定せず、
急がせず、
身体が反応を更新できる余地を残す、
という関わり方があります。

無理に引っ張らない。
正解に押し込まない。
それでも、身体に何も起きていない
というわけではありません。

鍼灸の分野では、
こうした関わり方を
「良性調節」という言葉で整理する
考え方があります。

それは、
調節をどのように理解するか、
という視点につながっていきます。


続きはこちらで

「良性調節」とは何か。
それは、
介入の強さではなく、
介入の在り方を問う概念です。

なぜ鍼灸は、
身体を一方向に変えようとしないのか。
なぜ「効かせよう」とするほど、
調節が難しくなることがあるのか。

その背景にある考え方を、
こちらの記事で整理しています。

▶ 良性調節とは何か──鍼灸の作用を「在り方」から考える


追記

整えようとして、うまくいかなかったとき。
それは、やり方が間違っていたのではなく、
急がせすぎていただけ、
という捉え方もあります。

身体には、
これまでの経過の中で形づくられてきた
在り方があります。
それを否定しない関わり方がある、
ということだけ、
ここでは伝えられたら十分です。


※本記事は、特定の症状の改善や治療効果を保証するものではありません。
身体の不調や症状についての捉え方の一例を紹介するものであり、
診断や治療の代替を目的としたものではありません。
症状が続く場合や不安がある場合は、
医療機関や専門家にご相談ください。

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