肩こりはとても一般的な症状です。
長時間のデスクワーク
スマートフォンの使用
姿勢の崩れ
武蔵浦和で肩こりに悩む方の中にも、こうした説明を聞いたことがある方も多いでしょう。
確かに肩周囲の筋肉は、姿勢を支えるために働き続けるため、疲れやすい部位です。
しかし臨床では、
マッサージをしてもすぐ戻る
肩だけでなく首の奥がつらい
頭痛や食いしばりもある
という方も少なくありません。
このような場合、肩こりは
単なる筋肉疲労だけでは説明できないことがあります。
肩こりをもう少し立体的に理解するためには、
首の感覚
神経の働き
頭や顎とのつながり
といった視点も役に立ちます。
今回は、肩こりを
身体全体のつながりの中で理解する視点
を紹介してみたいと思います。
肩こりは筋肉疲労だけでは説明できないことがある
肩こりというと、多くの場合
「肩の筋肉が硬くなっている」
と考えられます。
確かに肩周囲の筋肉は
僧帽筋
肩甲挙筋
菱形筋
など、姿勢維持に関わる筋肉が多く、緊張しやすい場所です。
しかし実際には
肩をほぐしてもすぐ戻る
それほど硬くないのに重い
首の奥がつらい
というケースもよくあります。
このような場合、肩こりは
筋肉の問題というよりも、
身体の状態を反映した結果
として現れていることがあります。
首は身体の感覚センサーの集まる場所
肩こりを考えるとき、
重要になるのが 首の感覚です。
首の周囲には
筋肉
関節
皮膚
などからの感覚を脳へ伝える神経が多く存在します。
これらの情報は
頭の位置
目の動き
身体のバランス
を調整するために使われています。
つまり首は、
身体の位置情報を伝えるセンサー
のような役割を持っています。(Bogduk. 2011)
長時間の緊張やストレスが続くと
この感覚が過敏になり、
首の違和感
肩の重さ
頭の締めつけ感
として感じられることがあります。
肩こりが「首の奥」にあるように感じる人が多いのは、
こうした背景も関係しているかもしれません。
また、首の感覚とバランス機能は深く関係しており(Kristjansson & Treleaven. 2009)、
めまいがある方で肩こりを感じるケースも少なくありません。
こうした「めまいと肩こりの関係」については、
こちらの記事でも詳しく解説しています。
→ めまいがある人の肩こりは、なぜ起こるのか
慢性肩こりでは神経の感じ方が敏感になっていることもある
慢性的な肩こりでは、
筋肉の硬さよりも
神経の感じ方の変化
が関係することがあります。
人の身体は、疲労やストレスが続くと
光がまぶしい
音が気になる
小さな刺激でも緊張する
といった状態になることがあります。
これは、神経系の興奮性が高まっている状態とも言われます。
(Woolf. 2011)
肩こりも同様で、
筋肉が極端に硬くなくても
「張る」「重い」「つらい」と感じることがあります。
このような場合、
単に筋肉をほぐすだけでは
症状が繰り返されることもあります。
肩こり・頭痛・食いしばりはつながっていることがある
肩こりが強い人の中には
頭痛
食いしばり
目の疲れ
を同時に感じている人も少なくありません。
これらは別々の症状のように見えますが、
実際には 首まわりの神経ネットワーク を通して
互いに影響し合っていることがあります。
肩こりと頭痛は関連することが多く、
身体の中でつながりながら現れることがあります。頭痛については、こちらの記事でも一部触れています。
→ 頭痛の前に「胃の不調」が出ることがあります顎の緊張や食いしばりについては、
こちらの記事も参考になります。
→食いしばりは「口の問題」ではない
例えば
首の緊張
顎の緊張
後頭部の違和感
は同じ神経系の中で関連しています。
首と頭をつなぐ神経のネットワーク
実は首の神経は、
頭の感覚を伝える神経とも関係しています。
このネットワークは
首の感覚
顔の感覚
頭の痛み
などの情報を統合する場所として働いています。
(Mehnert et al. 2023)
そのため首の緊張が続くと、
後頭部の頭痛
目の奥の重さ
頭の締めつけ感
として感じられることがあります。
肩こりと頭痛が一緒に起こることが多いのは、
こうした背景も関係していると考えられています。
また、頭痛患者では
筋・筋膜の感受性が高まっていることも報告されています。
(Do et al. 2018)
姿勢は原因だけでなく結果でもある
肩こりの説明では、
「姿勢が悪いから肩こりになる」
と言われることがあります。
もちろん姿勢は重要ですが、
姿勢は 身体の状態の結果として現れること もあります。
神経系の緊張が強いと
肩が上がる
首が固まる
背中が丸くなる
といった防御的な姿勢になりやすくなります。
つまり姿勢は
原因
だけでなく
身体の状態を表すサイン
でもあります。
肩こりを身体全体の調整として見る
肩こりを考えるとき、
筋肉
姿勢
ストレッチ
だけに注目すると、
どうしても局所的な対処になりやすくなります。
しかし身体は
肩
首
頭
顎
といった部位が
互いにつながりながら働いています。
肩こりもまた、
首の感覚
神経系の状態
顎の緊張
などの影響を受けながら
身体全体の中で現れていることがあります。
身体を部分ではなく「つながり」として捉える考え方については、
こちらの記事でも触れています。
→ 鍼灸で「整う」とは、どういうことか
そのため慢性的な肩こりでは、
肩だけではなく
身体全体の調整
という視点が役に立つことがあります。
肩こりについて、もう少しシンプルに整理して理解したい方は、
原因やタイプ別の特徴をまとめたこちらの記事も参考になります。
→ 肩こりはストレスのせい?──3つのタイプでわかる原因と対処
まとめ
肩こりはとても一般的な症状ですが、
その背景は意外に複雑です。
筋肉の疲労
首の感覚
神経系の過敏性
頭や顎とのつながり
などが重なりながら
症状として現れていることがあります。
肩こりを単なる筋肉の問題としてではなく、
身体のつながりの中で起こる現象
として見ることで、
症状の理解が少し変わることもあります。
身体は部分の集合ではなく、
互いに影響し合いながら働く一つのシステムです。
肩こりもまた、
そのシステムの中で現れている
身体からのサインの一つなのかもしれません。
日常でできるケアについては、こちらの記事でも紹介しています。
→ 肩こりは“歩いて”治す。科学が推す15分セルフケア
武蔵浦和の鍼灸院 Yeji浦和 では、
首や肩だけを見るのではなく、
身体全体のバランスを確認しながら施術を行っています。
慢性的な肩こりは、
肩だけでなく首や神経の状態が関係していることがあります。
「マッサージでは戻ってしまう」
「頭痛や食いしばりもある」
施術について詳しくは、
施術案内ページをご覧ください。
本記事は一般的な身体理解を目的とした情報提供であり、特定の診断や治療効果を保証するものではありません。症状が強い場合や長く続く場合は、医療機関への相談をおすすめします。
References
Bogduk N.
The anatomy and pathophysiology of neck pain.
Phys Med Rehabil Clin N Am. 2011.
Kristjansson E, Treleaven J.
Sensorimotor Function and Dizziness in Neck Pain: Implications for Assessment and Management.
J Orthop Sports Phys Ther. 2009.
Woolf CJ.
Central sensitization: implications for the diagnosis and treatment of pain.
Pain. 2011.
Mehnert J, et al.
Functional brainstem representations of the human trigeminal cervical complex.
Cephalalgia. 2023.
Do TP, et al.
Myofascial trigger points in migraine and tension-type headache.
J Headache Pain. 2018.
この記事を書いた人
代表カヤマ
鍼灸師/医学博士
慶應義塾大学病院 漢方医学センターでの臨床経験をもとに、
慢性的な肩こりや頭痛、食いしばり、自律神経の不調など、
身体全体のバランスから整える施術を行っています。
武蔵浦和の鍼灸院 Yeji浦和 代表
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